2008年01月10日

鶏は、なぜ朝早くから鳴くのだろう

タイの農村で、一番目立つのは、鶏だ。
庭先をいつも忙しそうに走り回っている。
まるで、主婦が家事に追われるように、いつも足を動かして
地面を引っ掻き回して、虫を探し出し、口にくわえ込んでいる。
ジッとしているときがほとんどない。

NPOシャンティ山口が、センサイ村の公衆トイレ工事のために
借りている事務所のまわりも、隣りのやら、もうひとつとなりのやら、
前の店のやら、鶏がいっぱい集まってくる。
2回目に行ったっときには、スタッフのヒャポンさんが、
鳥かごを用意して飼いはじめていたので、さらににぎやかになった。

朝は、3時半ころから鶏鳴がはじまる。
近くで聞こえ、遠くから返事が聞こえ、さらに別のがまた近くから
応接する。始まるとほとんど止まらない。
立体的な響き方があまりすばらしいので、録音したいと思ったが
録音機がない。ビデオをつけ放しにして、音だけとったけれど、
あとで、聞き直したが、聞いていたときほどよくはなかった。

そのとき、どうして鶏は朝鳴くのだろう?と疑問に思った。
今度、動物の本、江口保暢著「動物と人間の歴史」を読みながら、鶏の
項目を見てみると、簡単に答えがみつかった。
鶏は太陽を呼ぶ、とタイトルが見出しがついている。
「オスはメスの獲得のためと縄張りのために、ほかのオスと闘争するし、
採食行動とメスとの性行動のピークが日の出前と日没前にあるから、
オスはその頃に激しく鳴く。それが原始人には太陽を呼ぶ声にも聞こえ
また太陽が死ぬのを悲しむ声に聞こえたにちがいない。」
やはり、子孫維持のための行動だった。

ついでにその周辺を読んでみると、
鶏の起源は、タイ、ミャンマーあたりで、そこから東西に広がって行ったと
書かれている。紀元前3000年ごろ家畜(家禽)化されたそうだ。赤色野鶏
というそうだ。タイでいつもみる鶏が、一番原種に近いのかもしれない。

日本では、朝の鶏鳴がうるさいといわれて、都会はもちろん、田舎でも
鶏を飼うことがだんだん減っていって、今では農家の庭先に鶏がいる風景は、ほとんどなくなった。もちろん、鳴き声だけが原因でないだろうけれど
相当大きな要素にちがいない。
そのかわり、養鶏農家という専業がでてきて鶏舎飼いがはじまった。
私の家がまだ兼業農家だった昔、父が鶏舎飼いをして、
祖父が詰まらぬことはやめとけ、といって、
祖父は祖父で庭に放し飼いをしていたことがあった。
「こっちの方が、いい卵を産むんだ、肉もうまい」と言っていた。
ある日、学校から帰るとイチジクの木に鶏が、ぶらさがっていて、それは
祖父が客用にしめたものだった。ブームが去って父も養鶏をやめたが祖父は
死ぬ間際まで自分の鶏を飼っていた。

そんな小学校時代の経験があるので、タイの鶏のいる風景はとても懐かしかった。もちろん、鶏の鳴き声をうるさいと感じることもなかった。
でも、タイの農村の方が一枚上手をいっていると思うのは、母鶏のあとにひな鳥がつづき、そのあとたいがい黒豚の子供が、ひょこひょとあらわれ、さらに裸足の人の子供さらにわらわらと続く。
ここまでにぎやかな風景は、私の子供時代でもなかったように思う。

今朝のニュースで断片的に知ったのだけれど、
イギリスでは、環境省と動物愛護団体が、鶏の鶏舎飼いを全面的に禁止することを検討しているという。もう決まったといったのか、聞きそこねたが、かなり実効性のある措置で、庭飼い、平飼いに移させる指導を開始したといっていた。理由は、鶏の病気だ。
仲間同士で狭いので傷つけあうこともあるようだ。
コストはかかるが、卵ははるかにうまいといっていた。
日本でも、早くそうならないかなあと思う。
その方が、病気にも強い鶏が育つ、と多くの人が語っている。

でもまあ、その前に、日本では、鶏の朝の鳴き声をうるさいと感じる
人間のひよわさ、心地よいにぎやかさと感じられない人間の弱さを先ず
なんとかしなくてはいけないかもしれない。このことは、山羊の鳴き声に
ついてもいえることで、実に気持ちの良い快適なものなのに、避けているだけでは、先行きはくらい。そのためには、タイの子供のように、泥んこの中で、まろびつ転びつする時代を経験させる必要がある。
タイへ行くとこの進んだ文化をなんとか日本に移せないかと考える。
鶏数羽、山羊数頭から、それは始まるかもしれない。


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posted by 村のトイレ屋 at 20:32| 山口 ☁| Comment(2) | TrackBack(0) | 山羊・羊とチーズ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
へえ、雄鶏が鳴くのは、お仕事開始の合図だったのですね。
夜明け前と日没前?
皆既日食の前後とかはどうなるんだろう^^

舎飼い禁止ですか^^
それはいいかも。
卵って、ほんとに味が違いますもんねー。
Posted by はたかおり at 2008年01月10日 22:36
これが同じ卵か、というくらい
違いますよね。
阿蘇や富士山の麓に鶏観光牧場があって
地面から拾って持ち帰りが出来ます。
阿蘇は行ったことがあります。
イタチとのたたかいがポイントだと言っていました。
イギリスのテレビのニュースで写っていたのと同じような小さな鶏小屋がありました。そこに卵を産むようになるそうです。

余談ですが、モン族には生卵をご飯にかけて食べる
習慣はありませんでした。理由は、不明です。
Posted by へちまや at 2008年01月11日 09:31
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