2007年11月24日

追い詰められてやる農業か、それとも、

いよいよ、食べるものがなくなって、追い詰められて
はじめる農業は、つらいだろうなあと思う。
庭先や道路の端やともかく空いている土地を
すべて農地に転用して、食料の生産にあてる。

飢えている状況にあるわけではないが、
生活の彩りとして、楽しみとして、少しは
自分の食べるものをつくってみようという余裕の
まだあるものとは、ずいぶん、おもむきがちがって
こよう。
山菜料理を楽しむにしても、
玄米菜食をいただくにしても、気持ちの上で
ずいぶん、異なったものになるだろう。

瀧井宏臣著「農のある人生」(ベランダ農園から定年帰農まで)は、
おもに市民農園や体験型農園のレポートによって
生活に農を取り込む姿、そのトレンドを写したものである。
時代の流れがよくわかる書物と言えるであろう。
「半農半X」という生き方も紹介されている。

この本の最後のほうに、1944年の東京都台東区の不忍池の
写真が載せられている。「全都の戦時農園化」のもとに
不忍池を水田にして、田植えをしている写真だ。約60人くらいの
人が、田んぼに入って田植えをしている。バックにビルが見える。
(毎日新聞、「1億人の昭和史」から引用している)

国民皆農といわれたのだそうだ。
当時、学徒援農隊というのが組織され、学徒出陣、軍需工場への学徒
動員と同じように、悲惨な記憶となっているそうだ。
戦争末期、敗戦直後の食料事情の飢餓的な不足の話はよく聞くが
不忍池や学徒援農隊の話は知らなかった。不忍池が水田にされた
くらいだから、校庭や小公園なども畑などに転用されたのだろう。

山羊についても、戦後すぐから、1950年代後半までよく
飼われたということは、つとに聞くことだけど、それは肉用と
乳用として、必須の物だった。当時の食料事情を反映している。

食べ物がないとは、大変なことだ。
今は、世界中からカネにものをいわせてかき集めている。
一見、磐石のように見えるけれど、実際は脆い。
食料危機の時代と本当はそんなにかわらないと思った方が
いいのではないか。
いや、ほんのわずか、まだ余裕があると見えるときに
追い詰められた心境からでなくて、やや余裕をもって
「遊休農地の活用」や自給程度は作って食べていける
能力と条件(土地)を確保しておいた方がいいのではないだろうか。

もともとは、楽しいはずのものが、ただただつらいものに
ならないためには、一歩先取りする必要があるように思う。
その場合、大事なことは、「自分でできるようになっていること」
だと思う。





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posted by 村のトイレ屋 at 22:07| 山口 ☀| Comment(2) | TrackBack(0) | 自然農 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
>いや、ほんのわずか、まだ余裕があると見えるときに
>追い詰められた心境からでなくて、やや余裕をもって
>「遊休農地の活用」や自給程度は作って食べていける
>能力と条件(土地)を確保しておいた方がいいのではないだろうか。

明治以後、日本の歴史は、農(民)の、工(資本)による、搾取の歴史
であった、ともいえます。そして今、農(民)は、絶えつつあります。

「遊休農地」は、農民が涙をのんで「遊ばせた」−と人は言うー土地です。
農民の「怨念」のしみ込んだ土地です。
しかし、それを「活用」できるのは、工(資本)の恩恵に与ることができた、
幸運な人々、農民から見れば、いわば「征服者」達です。

これら征服者達は、農民の「怨念」に、どう向き合うのでしょうか?

Posted by みのかさご at 2007年11月25日 20:47
難しいテーマですね。
壊れた水路や草に埋もれた石垣が
「怨念」を確かに語っております。
その努力に頭が下がって、
鳥肌のたつときも確かにあります。

農と工、農村と都市、
広げれば、アジアと日本ということまで
なるテーマでしょうね。

まあ大きなことは、然るべき人にお任せして
私たちの試みは、
まだ滅びていないし、滅びる気もない人々と
わずかでも農をつなげる志を
もった人々が、一緒になって、支えあいながら
なんとか、ささやかでも子孫に残して行きたい
ということですね。

子供のときに、農と切り離されたり、
親が都市に出ていったりしたものが
もう一度、ウナギやアユが川をたどって
生まれ故郷に戻るようでもあり、
そればかりか、生粋、都会育ちなのに
農的なものに引き寄せられものもいる、
ここが、なぜかおもしろいところですね。

「大地と子供」・・・このふたつのことを考えて
間違えないようにすれば、
シャンとたってやっていけそうな気がしております。
Posted by へちまや at 2007年12月11日 07:41
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