でも、昨日6月13日の伊方原発の山口訴訟(山口地裁岩国支部)は、すばらしいものだった。
岩国まで行ってよかった。
ひとつは、原発は憲法違反であると争点に据えた裁判に原告として参加できたこと。
これは、あとの弁護団の説明会でも、全国にも例がないとのこと。
地震や火山、安全に関わる個々の科学的な知見をめぐって争うことは多々あるが
たとえば原子力基本法は憲法違反であって、それに基づく原発立地はすべて違法であるということになる裁判はまだない。
もちろん、論拠は法律の言葉で組み立てられていて、田端弁護士が15分にわたって堂々と述べられた。
とても痛快だった。
もうひとつよかったのは、吉木京子さんの意見陳述を聴けたこと。
冒頭、次のように始まった。
伊方原発の存続は間違っています。
しかし、この一言は、全てを象徴するキャッチコピーとしてお受け取りください。
私は、本日、本裁判の174名の原告を代表させていただいておりますが、今ここにいる私は、松山、広島、大分の各地方裁判所で争われている伊方原発運転差止を求める裁判の原告、それらすべての応援者、そして、全国の原発反対者、世界の原発反対者を代表していると自負しています。地球は一つで、陸も海も繋がっていることをご存知でしょうか?海底にも、天空にも、何か汚染された場合、はい、ここまでよ、という壁は存在しません。とりわけ、原発事故による汚染は、人類の存続に関わるということを、皆様もご存知のはず。ということは、私は今、原発推進者の方をも含む、人類を代表していることになります。大袈裟な主婦だと笑いますか?いえ、笑っていられないのが原発事故です。
そもそも、私は不思議でなりません。なぜ、このことで争わなくてはいけないのか?
こうして、人々の暮らしを「底なしの恐怖」に叩き込む原発がなぜ容認されているのか。
戦争とのつながり、経済的な利益を得るひとへの言及、辺野古との同根性などにふれて、
伊方原発をなくすことが世の中を変える全てに通じていること、を訴えていく。
「原発のない社会を子どもたちに残すために活動しています」という、いのち・未来うべの理念と目的をピッタリと言い表してくれている。
そして、この当たり前の主張を法律用語に翻訳すれば「原発は憲法違反」となるのだ。
全文をぜひ読んでいただきたい。
裁判はめんどうなものだ。傍聴もいつも行けるものではない。でも、生活の一部に原発を止めることを組み込みたいひとは、この伊方裁判はいい候補になるにちがいない。次回は、10月17日(水)午後2時〜。
吉木京子さんの意見陳述(全文) 下記をクリックしてください。
伊方吉木 意見陳述2019.6.13.pdf