2016年01月06日

【メモ】「アナトール・フランスのような顔をした山羊」とは、どんな顔の山羊か?

野上弥生子短編集(岩波文庫、加賀乙彦編)
1941年の作品『山姥』の中の文章。

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はいったすぐ横の、大きな胡桃(くるみ)の樹に繋がれた、アナトール・フランスのような顔した山羊が、二人をみると、メエ、メエ、と懐かしげに啼いた。ただそれだけで、馬も、牛も、この夏は牧夫が雇えないため預からないとのことで、一匹も見当たらなかった。    p185
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 きのこ爺さんに分けた残りのするめを焼いたりして、野天のおいしい昼食をすましてから、また二人だけ先に帰ることにした和子とおせきちゃんは、一時間半の後、はじめの牧場のを抜けていた。アナトール・フランスに似た山羊は、行く時と同じく胡桃の樹に繋がれたまま、メエ、メエ、と懐かしそうに鼻声で啼いた。軽い風が出た。     P209
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この作品は、1941年の作品。
牧夫を雇えない、空っぽの牧場という中に、すでに戦争の姿が反映されている。
加賀乙彦の解説には、「単に自然を愛でて写生するだけでなく、この自然と対比して、戦争に向かって傾斜していく時代の空気も敏感にとらえられている」と書かれている。

浅間山の麓、北軽井沢の暮らしも、そこでの田舎暮らしも、戦争とは無縁ではないことを示している。
文章にもおもしろいのがあって、ついつい年末の読書で、この短編集を読んでしまい、さらに著者の代表作という『真知子』も読んでしまった。
その感想などを書いたら、仕事宿題山積のなかで、年始のエンジンがかからないまま、とんでもないことになるが、気になったのは、山羊のことである。

「アナトール・フランスのような顔をした山羊」「アナトール・フランスに似た山羊」とは、どんな山羊だろうか?

文中には、アナトール・フランスについての説明はなんにもない。
私は、微かに名前を聞いたことはあるがほとんど知らない。
文学者か哲学者だとうろと見当をつけて、ネットで検索して写真を見たが、そこから山羊の表情にはなかなかたどりつけない。

年末年始、気になってず〜と考えているが、よくわからない。
知っている山羊の表情を思い起こしてみるが、心当たりするものが浮かんでこない。

仕方がないから、知人に電話したら
「そんなものは知らない。君のようにぼ〜としている山羊なら何頭でも教えてあげられる。それよりも、頼んだことを早くやってくれよ」と約束の作業をせっつかれた。

やむなし、この課題はメモにしておくだけで、いつかそんな山羊に出会うまで放っておくことにする。




posted by 村のトイレ屋 at 09:21| 山口 ☁| Comment(0) | 山羊・羊とチーズ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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