2015年04月19日

【重要な資料】翁長知事と安倍首相の会談 全文。

新聞(ジャーナリズム)は、現代史の最初の原史料と書かれていたのは、『ヒトラーランド――ナチの台頭を目撃した人々』の著者 アンドリュー・ナゴルスキであったと思う。
この本は、目の前で進行する現代の流れをあとで振り返って認識するとき、あとの時代の方がよく見えるということと、実際にその時代の目撃者、当事者が認識していたこととのギャップを、ナチスがドイツと世界を破滅に導く過程をアメリカ人ジャーナリストや外交官の目を通して追った本だ。
その中で、新聞の役割を「現代史の最初の史料」と言っている。

今、日本は「戦後ではなくて戦前である」と言われる。
それは、戦争が始まってしまえば、すぐにこの言葉が正しくなってしまう。
私たちは、その認識を持つとともに、戦前にならないために発言し行動する必要がある。
あとから振り返って認識を深めることも大切であるが、今を変えることはもっと大切なことであり、私たちに可能なことなのだと思う。

前置きが長くなってしまった。

沖縄県知事と安倍首相の会談を読んで、本当にここは山場、歴史の分岐点だと思った。
それは、なによりも沖縄基地の存続の拒否、沖縄の当然の声の正当性の評価と定着、日本全国への拡散と波及という意味であるけれど、ここまで正しい主張が堂々となされていながら、逆に無視されたり政府によってかき消されたり、マスコミによって歪曲されたり、さらに、本土の私たちによって、多くの多忙な中の重要な事柄のひとつにされてしまって、波及効果が生まれなければ、基地建設は強行され、戦争拠点は自然破壊の上につくられ(サンゴ礁を守る思想も踏みにじられ)、沖縄はアジアに向かっての日本の自衛隊(「我が軍」)の基地にされかねないからだ。

米軍も米政府も、もちろん沖縄基地を必要としている。
しかし、それを隠れ蓑にして、安倍政権や自衛隊が、同時に沖縄の基地機能について食指を延ばしていることも考慮する必要がある。対米従属論だけの視点では、現政権の沖縄基地への強行高圧姿勢、執着には捉えられないことが多すぎる。100%対等とは言えないまでも、力関係に差がある強盗の頭目たちが沖縄をめぐって、基地という軍事的な機能、それが生む巨大な戦争利権に群がっているように私にはみえる。

安倍政権の行おうとしていることは、沖縄を基地化することで、再び、沖縄を切り捨て棄民化することだ。
それに対して、翁長知事の発言は、明確に拒否している。
沖縄の民意も度重なる選挙で明確にしている。
政府が持ち出す16年前の閣議決定論を事実をあげて、すでに政府自らによって閣議決定が反故にされていることを明らかにしている。
そして、このことの言及を官邸は、「報道退去」と言って、公開させずに隠し通そうとしている。
嘘が明らかになるからだ。

非公開の事情について沖縄タイムスは以下で報道している。

知事発言が突然非公開に 官邸が3分で打ち切る
http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=112125

以下、沖縄タイムスから
本土の新聞には載っていないので、非公開部分も引用しておく。
http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=112136

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
翁長知事・安倍首相会談全文(冒頭発言)
2015年4月18日 07:00
■安倍晋三首相(2分50秒)

 どうも。お久しぶりです。ようこそきょうは官邸においでいただき。きょうはせっかくの機会でございますから率直に意見交換をさせていただきたいと思います。

 私は沖縄というのはアジアのまさに玄関口であり、高い優位性と可能性があると思っています。その中において沖縄の振興、発展は日本にとって大変重要なことであり、まさに国家戦略としてさらにこれは進めていきたいと思っています。

 今進めています(那覇空港の)第2滑走路も含めまして、振興策をこれからも力強く進めていきたいと思っています。

 同時に戦後70年においてもまだ沖縄に米軍基地負担、大きな負担をお掛かけしているという状況がございます。その中において少しでも負担の軽減をお約束させていただきたいと思います。普天間(飛行場)の一日も早い危険性の除去、撤去はこれはわれわれも沖縄も、思いは同じであろうと考えています。

 その中においてわれわれといたしても一歩でも二歩でも進めていかなければならないという中におきましては、辺野古への移転が唯一の解決策であると考えているところでございまして、これからもわれわれ政府が丁寧なご説明をさせていただきながら、ご理解を得るべく努力を続けていきたいというふうに思います。

 同時に嘉手納(基地)以南の返還もスタートしている状況でございますが、こうした米軍施設、土地の沖縄への返還を順調に進めながら沖縄の発展に生かしていきたい、こう考えている状況であります。

 本日は沖縄の皆さまのまさに思いを代表していただきまして、知事から率直なお話も伺いながら沖縄の未来をつくっていく上においても、政府としても一緒に歩みを進めていきたいと思いますのでどうぞよろしくお願いします。

■翁長雄志知事(3分13秒)

 あらためましてこんにちは。昨年12月に沖縄の知事に就任しました翁長です。よろしくお願いします。安倍内閣総理大臣におかれまして本当にご多忙の中ですね、お時間を頂戴いたしまして心から感謝を申し上げます。

 また冒頭では、沖縄の経済、あるいは将来の可能性というのにも触れていただいた。アジアのダイナミズムが沖縄に本当に大いに来ていて、日本のフロントランナーとして、経済というものを頑張っていこうという状況の中で、基地問題というのが非常に大きな課題となっていますので、きょうは普天間基地の辺野古への移設を中心にですね、お話しさせていただきたい。

 総理も官房長官も16年前、当時の稲嶺(恵一)知事、地元名護市長も辺野古基地を受け入れたとおっしゃっていますけれども、しかしながら稲嶺知事は代替施設は軍民共用施設として、そして米軍による施設の使用については15年の期限を設けることを条件として受け入れを認めたわけです。

 それから岸本(建男)名護市長は日米地位協定の改善、それから施設の使用期限、それから基地使用協定等の前提条件が満たされなければ容認は撤回すると言っておりました。

 当時の政府は平成11(1999)年12月、稲嶺知事と岸本市長はこれを重く受け止め、米国政府と話し合う旨、閣議決定を認めました。しかし、その閣議決定は平成18(2006)年に沖縄県と十分な協議がないまま廃止されました。

 従って16年前に知事や市長が受け入れを決めたというのは前提条件がなくなったことで、受け入れたというのは私たちとしては間違えだというふうに思っています。

 そして政府は今、普天間飛行場の県外移設という公約を、失礼な言い方かも知れませんが、かなぐり捨てた前知事が、埋め立てを承認したことを錦の御旗として、辺野古移設を進めておられますが、昨年の名護市長選挙、沖縄県知事選挙、衆議院選挙は前知事の埋め立て承認が争点でありました。

 全ての選挙で辺野古新基地反対という圧倒的な民意が示されたわけであります。沖縄は自ら基地を提供したことは一度もございません。普天間飛行場もそれ以外の基地も戦後県民が(捕虜)収容所に収容されている間に、(土地が)接収された。または居住場所をはじめ銃剣とブルドーザーで強制接収され、基地造りがなされたわけであります。

 自ら土地を奪っておきながら老朽化したから、世界一危険だから沖縄が負担しなさい。嫌なら代替案を出せと言われる。こんな理不尽なことはないと思います。

(はい、報道は退室−と官邸スタッフが打ち切る)

■非公開部分

 翁長雄志知事 安倍総理が2度目の政権を担ったとき「日本を取り戻す」という言葉がありました。私はとっさにそこに沖縄が入っているのだろうかと思いました。戦後レジームからの脱却ともおっしゃってましたが、沖縄に関しては戦後レジームの死守をしているかのようであります。

 安倍総理にお聞きしたいと思います。ラムズフェルド米国防長官が12年前、普天間基地は世界一危険な基地だと発言し、菅官房長官も普天間の危険性除去のために辺野古が唯一の解決策とおっしゃっております。辺野古基地ができない場合、本当に普天間基地は固定化されるのかお聞かせ願いたいと思います。

 普天間飛行場の5年以内の運用停止について、仲井真弘多知事は県民に対し「一国の総理および官房長官を含めて政府としっかりやるとおっしゃっている。それが最高の担保である」と説明していました。

 5年以内の運用停止は、きょうまでの状況を見ますと、辺野古埋め立て承認というハードルを越えるための空手形ではないかと危惧しているところです。総理ご自身から5年以内運用停止を約束できるかお聞きしたいと思います。

 私は沖縄にある米軍基地や米国政府の責任者から、辺野古の問題は日本の国内問題だとよく言われます。

 われわれ県民から見たら、米軍基地の運用について日本政府がほとんど口を挟めないことをよく知っていますから、辺野古の問題についても、県民からは実感として、県民と米軍、県民とアメリカ政府との問題だとも思えます。

 ですから、私も近いうち訪米をして県民の思いを米国政府、シンクタンク等さまざまな方々に訴えようと思っています。

 このまま政府が地元県民の理解を得ることなしに辺野古埋め立てを強行するようであれば、私は絶対に辺野古への新基地を造らせないということを改めて申しあげたいと思います。

 安倍総理には、かたくなな固定観念に縛られず、まずは辺野古への移設作業を中止することを決断され、沖縄の基地固定化の解決・促進が図られることを期待しております。訪米した際には、オバマ大統領へ沖縄県知事はじめ、県民は、辺野古移設計画に明確に反対しているということを伝えていただきたい。よろしくお願いします。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 引用終わり〜〜〜〜〜〜


歴史の曲がり角。
これを私たちは、ここで曲がったぞ、と認識できるのだろうか?

先日、柳井市で行われた上関原発公有水面埋立の行教補償の祝島支店への受け取り強要の抗議集会で、88歳の藤村英子さんが「私たちは騙されたからよくわかるのです。まったく戦前と同じことが今起こっています。知ってほしい」と強くアピールされた。
すでに戦争へ舵を切ったと認識されている発言だ。

私たちの日々接する新聞などのニュースは、戦争への記録になる可能性が十分ある。
しかし、同時に、今生きている現代史のまっただ中という意味では、私達自身の声によって、声を上げ続け横へ広げることによって、変えられる可能性が十分にある。

posted by 村のトイレ屋 at 11:14| 山口 ☔| Comment(0) | 反戦・平和 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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