2007年04月06日

コーヒーは、山羊が発見した

島村菜津著「バール、コーヒー、イタリア人」光文社新書

世界で一番先にコーヒーに目ざめたのは、山羊だという。
「イエメンのシェハディ修道院に残るという逸話によれば、あるときカルディという若者が、自分の山羊たちの様子が変だと修道院長に相談にやってくる。山羊たちは、やけに興奮して、夜も眠ろうとしない。」
(146頁)
ここから、その原因を探ると、のちにコーヒーの実と呼ばれることになる赤い実を山羊たちが、食べていたこと、その実をつぶして、煎じてすすると体中に活力が湧いてきたという。
かくして、コーヒーの第一発見者は、山羊であると人間の歴史に残った。めでたし、めでたし。なんといいはなしであることよ。

とまあ、ここでわたしとしては、書き終わっておいてもよいのだけれど
この本は、そのために読んだわけでもないので、ちょっと追加のメモをしておこう。
「何事にも10人がもろ手をあげて賛成するような社会は、イタリア人にとって不健全な社会である。多数派がはいといっても、少数派が嫌だと声高に唱えてこそ、社会は健全であると考えているふしがある」(183頁)
いいことばですねえ。その通りだと思う。
このメモだけでも、読んだ価値があった。

ところで、この本のメインテーマであるバールでだけれど、
喫茶店かといえばそうでもない、雑貨屋さんかといえば、そうでもなく、コンビニとはもちろんちがう。コーヒーやアルコールを飲ませてくれて、立ち話ができて、都心にもあり、日に何本も通らないような鉄道の駅の側にもある。有名な観光地にもあって、旅人が一休みするのにもいいという。だけど、観光案内所というわけではない。すべてであり、すべてでない。これは、一体なになのか、というのが、この本のテーマである。うろ覚えだけれど、「スローフード」という言葉が流行するきっかけになった、島村さんの本「スローフードな人生」の中に、田舎の駅のバールの話として、1章取り上げられていた。

で、結局何なの?・・・よ〜、わかりません。読んでもさあなんだろう?で終ってしまった。コーヒーの歴史は、よくわかった(笑い)
わからないというのは、おそらく、日本でいえばなに該当すのかなあと考えて読んでいるからだろうと思う。類似を探して、いるんですよね。
人のたまり場が、本質かなあとみています。とくに、用事があってもなくても、なんとなく集まり寄ってくるところ。ついでになにかの用事。
江戸時代の床屋談義の床屋もそんな役割があったのではなかろうか。農村では、若衆宿。・・・ちがうかなあ。

最近、わかってきたことだけれど、人はなんとなく集まりたがる動物だ。そこで、なんということのない話を楽しむ。場所や時間やかたちは、さまざまだけれど、そんな楽しみをする動物である。山羊や羊もそうだよ、と山羊や羊からも、他の動物からも声がとんでくるであろう。そうですね。動物全体に、言えることかもしれない。

この冬のあったか村の小屋もそうだったなあ。
この間寄ったとき、萩市の萩博物館横の清水さんの蒸気船饅頭屋台も、地元の人が、けっこう集まって、おもしろいサロン風だった。
ブログに人が群れてコメントがあったり、mixi に書き込みが続いたりするのも、そんなことの変形かもしれない。

コーヒー発見の名誉は山羊もの。
そのことを書いた本が、イタリアの人の習慣を書いたものと、なにかつながりがあるだろうか。
特にないようだ。でも、読む人間が、山羊好きだから
とんでもない本の紹介になってしまった。
なにかの参考になればいいですが・・・。



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posted by 村のトイレ屋 at 12:52| 山口 ☀| Comment(2) | TrackBack(1) | 本の感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
へちまや さん
ju-an desu.
Machigatte supeingo no pasokon kara kaite shimaimashita.
Mendoudakara konomama kakimasu.

Supein go ken no hanashidesuga, BAR wa nee, nihonde ieba ima tokainimo dekitekita kakuuchiya ni niteirunodesu yo.
Tabun Italia demo kawaranai deshou.
Tsumami mo "pincho" to itte kantan na mono desu.
Nihon no mukashi no kakuuchi wa sakaya de yatte imashita ga hirumakara ojisan ga yopaaratte ite chotto funiki warukatta desune.
Demo nihon no imano kakuuchiya wa kekkou tsumami mo ookute funikimo yoku joseidemo hairerushi nihon-ban BAR to
ittemo iinodewa naikato boku wa omoimasu.

Dewa mata. Konohende.

Posted by ju-an at 2007年04月07日 03:27
ふうあんさん、こんにちは。
ウルグアイからのメール、いい具合についてますよ。

さて、イタリアのバール、
日本の「角うち」ではないかというご意見ですね。
都会でも、最近、かたちをセンスアップして
あらわれているとか、それは知りませんでした。
どこか街に出たときに調べてみます。

わたしの知っている「角うち」は、ほとんど酒屋の中で、カウンターだけの立ち呑み場ですね。
カウンターといえるものもない店もあります。

イタリアのバールがこれと同じなのかどうか、
似たところもあると思いますが、コーヒーも出しているなどちがうところもあるように思います。

一度行って見ないことには、どうともいえないなあというのが、わたしの感想です。
「たまり場」の研究って、各国、各地方で変形があって、きっとおもしろいでしょうね。

ところで、ウルグアイの山羊事情は、どうですか?
Posted by へちまや at 2007年04月09日 09:12
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Excerpt:  コーヒーは、エチオピアの山羊飼いカルディ(Kaldi)がある赤い木の実を食べた山羊が興奮状態になることを知って発見されたものだとされる。その後コーヒーはエチオピアのアビシニア高原から6〜9世紀にアラ..
Weblog: OKULO
Tracked: 2007-05-15 13:46