2007年02月13日

[ 「アホウドリの糞でできた国 ナウル共和国物語」

文:吉田靖 絵:寄藤文平
「アホウドリの糞でできた国 ナウル共和国物語」
発行:アスペクト 1,000円+税 2005年1月

すぐに読めてしまった。
文もシンプルで良いが、絵も線がとても好きだ。
どちらもわかりやすい。
シンプルでいい本だ。

ナウル共和国自体がとてもシンプルだ。
まるで、単細胞の生物の標本を見ているような錯覚に陥った。
日本やアメリカでは、大きいので全体像も骨格も中もようわからないところがある。イメージを結んでわかったような気になる以外にはない。

ナウル共和国は、小さな市程度で、わかりやすい。
人口1万2088人(2001年)
世界で3番目に小さな国だそうだ。
この国は、サンゴ礁の上に、アホウドリが糞をして
それがリン鉱石に時間をかけてなって、そのリンに依存した国つくりをやってきた。リンはとても大事な肥料になる資源で、争奪の対象になっている。ユゴーの「レ・ミゼラブル」にも、ヨーロッパなの国々が南極大陸や諸島にペンギンなどの糞の蓄積したリンを求めて取りに行くことが指摘されている。人糞に含まれているリンを海に捨てているくせに・・・と批判してだけれど。

この本を読むと誰もが引用したくなる箇所がある。
私も引用しておこうと思う。
「ナウル共和国には税金はありません。
教育、病院は無料。電気代もタダ。
結婚すると、政府が2LDKの
新居を提供してくれます。」
つらくて厳しい発掘作業も自分でやらずに
周辺からの出稼ぎ労働者にまかせている。
政府の仕事も、外国人を雇っている。
水は、ミネラルウォーターを輸入している。
食事は全部外食で、買い物は車から降りないドライブスルーだ。

「日本の平均的な生活を働かずにできる」と書かれている。

資源に依存しているという意味では、石油に依存しているアラブ諸国と同じだけれども、根本的にちがうのは、貧富の差がほとんどないということらしい。このことは、おもしろい研究課題だろう。

こんな生活をすると人はどうなるのか?
怠惰になる。肥満になって糖尿病が流行る。・・・実際そうらしい。
なんといっても、あとに戻れなくなる。
資源のリンは、もちろん有限でいつまでもあるわけではない。
この本の後半は、危機と対処のナウル流ドタバタに当てられている。
でも、あまり焦っている様子はない。

井上やすし原作の「ひょっこりひょうたん島」はこの島がモデルだったのではないかと思えるフシもある。

一番の危機が迫っている。
地球温暖化による海面上昇だ。沈没してしまう可能性が高いのだ。
このことを含めて著者は、ブログで動きをリアルタイムで追跡している。

http://tekigi.hiho.jp/blog/archives/cat3/


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posted by 村のトイレ屋 at 23:57| 山口 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 本の感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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