2006年04月20日

モンゴメリ「赤毛のアン」、マシュウ・カスバート

あったか村(の一部)で、一時、「赤毛のアン」がブームになったことがあります。感想を述べあったり、アンの大袈裟な芝居がかった物言いを真似てみたり、複数の訳者のものを読んでくらべてみたものです。
実は、私はまだその余韻が残っていて、赤毛のアンシリーズを開くと他のことは手がつかなるので、深入りに制動をかけています。

話は、違いますが、
女性のトイレで、なぜ2度流しが習慣になったのでしょうか。
この考察には、多くの方が挑戦していますが、結論は得られていないようです。私も、トイレ屋の端くれとして、もう長いこと考えているのですが、うまい説明ができません。最近、考えているうちに、赤毛のアンの中に出てくる、兄・マシュウの存在がとても気になりはじめて、仮説のラインを引けるのではないかと思いはじめています。
マシュウ・カスバートは、
いうまでもなく、アンをひきとり育てた兄妹の兄の方です。
駅頭のアンとの出会いの場面は、何度読んでも、涙がぼろぼろ流れてたまりません。馬車で駆け抜ける桜の道は、なんとすばらしく美しいか。目にみえるようです。

マシュウは、無口です。
羞恥心の塊のような人物です。
特に、女性の前では、しゃべられないのです。
というより、女性には近づかないようにしているのです。
もじもじして、おたおたして、どきどきして、
心臓に良くないことを本人が知っているのです。
(実際、後年、心臓病でなくなります。個人的な感想ですが、アンシリーズの後半の欠点は、マシュウがいないことです。死なせるのがはやすぎたと思います。作者と同じ時代に生きていれば、私は、真っ先に抗議の手紙をきっと送ったと思います)

トイレの2度流しをどうして日本の女性が習慣にするようになったのか。
そのことを考えているときに、なぜか、マシュウがあらわれたのです。
女性と男性ということを越えて、
日本とカナダの違いを越えて、
(カナダの人の心性は、日本の人と似ているように思います)
羞恥心が、キーワードではないか、そうひらめいたのです。

トイレがどう関係するの?
と言われるかのしれません。
たしかに、「赤毛のアン」には、どんなトイレも、トイレと排泄にかかわる記述は全然出てきません。
トイレとは、無関係に、
あるいはトイレだけではなくて、
ある種の羞恥心とは、高い文明の産物ではないか。
マシュウになんとなく感じられる人間性の高さ。
穏やかでゆったりとした、自分のやることをこつこつとやって、それ以上何を望むものもない人が出す、品の高さ。
それは、自縄自縛ともいえる行動の足かせにもなります。
(買い物に行って、若い女性の店員が出てきて対応されたときのマシュウの行動)

女性の二度流しを、私は決して品が高いとも、奥ゆかしいとも思いませんが、また水処理屋という視点からみれば、1リットルでも、減らしてほしいものですが、女性たちが、トイレでの排泄行為を見られたくない、室内だから見られないわけだけれど、さらに、想像もされたくないと思う心理の底には、文明がうむ羞恥心が、絡んでいるのではないか。
そんな仮説をたててみたくなるのです。

いいとか悪いとかの判断のためではなくて、
「なぜだろう?」という視点に絞ってみると
どうも、この文明の高度化と羞恥心とは大いに関係がありそうな、解明の糸筋になりそうな予感がします。

私は、幼いとき、野良道でひょいと裾をからげ、前かがみになって用を足している女性を数多くみています。農村の風習だったのですね。
しかし一方、サンタパパさんの 「だがっき」と「おと」の庵で、擬音装置に触れていて、知ったのですが、
既に江戸時代から、ある種の階層では、恥ずかしさを隠すために、今日の擬音装置と同じものが使われていたと言います。「音消し壷」など。
そこでは「自意識過剰」というキーワードで迫っておられます。
私は、もう少し「羞恥心」にこだわります。

「勝手に想像するよりも当の女性たちに聞いてみれば?」
そんな声が聞こえてきます。
実は、私も無口なのです。
そんな質問をしようものなら、口は音が出ないままパクパク、心臓は早鐘のようになり響き、立ち眩みを起してしまいます。
幸いなことに、ネット検索で「二度流し」を検索すると多くの女性の意見もみることができます。
そして、書物で酒井順子著「トイレは小説より奇なり」をみつけました。
(古本屋で買って本棚に積んでありました)
次回は、この本を取り上げて、考えをすすめてみます。

えっ、赤毛のアンの話は、出ないの?
「赤毛のアン」で検索してこのページにきたのに!
すみません。今、私は他のことに手がつけられなくなるので赤毛のアン本体は意識の中で、封印しているのです。
マシュウなら言ってくれるでしょう。
「そうさなあ、・・・本業の方が大事だからのう」
posted by 村のトイレ屋 at 13:23| 山口 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 本の感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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