2009年12月08日

市民が水源涵養林を育てることについて考えた

昨日は、山陽小野田市水道局を訪問した。
共同代表の橋本嘉美さんと仲間3人でお邪魔した。
12月12日(土)の小野湖の水を守る会へのご協力をお願いした。

一度、このブログで紹介したけれど、山陽小野田市は、美祢市秋芳町に水源涵養林を有している。今日は、その出発点と経過、現状などをうかがった。
あわせて、同じ水源を共有する立場として、小野湖の水を守る会へのご協力をお願いした。

いくつかすばらしいことを教えてもらった。

その一つが、横浜市と道志村の関係である。
水と森林で結ばれて、もう100年を越えるという。

帰って調べてみる。

横浜市水道局のサイト
山梨県南都留郡道志村のサイト
それぞれのサイトが、森林涵養林のことを大きく扱っている。
道志村のホームページには、
「日本1の水源の郷をめざして」と書かれている。

横浜市が道志村に水源涵養林を購入取得して森林経営を
水道事業の一貫としてはじめたのは、1916年(大正5年だという)

道志村には、「赤道直下でも腐らない」という名水があるそうだ。
それをさらに、よいおいしい水として確保するために水源涵養林の制度をはじめた。県境を越えて、横浜から車で2時間半かかるところだという。

ネットで探したら、ミツカンの水シリーズの読み物の中に紹介のレポートが載っていた。市民がボランティアで森林整備に出かけている。その同行記録だ。
http://www.mizu.gr.jp/kikanshi/mizu_23/no23_e01.html

それによると「道志村流」というのがあるそうだ。
樹の伐採にチェーンソーを使わずに手斧を使ってやっているという。その方が安全なのだという。

また、施業(森林の経営方針と作業計画)も水道水源ならではの独特のものがある。

ちょっと長いが引用してみる。
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過去には直営事業として木炭の生産をしたこともあるが、1951年(昭和26)には、水源林のほとんどを森林法に基づく水源涵養保安林に指定。水源かん養機能を一層向上させるために、1991年(平成3)に森林の経営方針の見直しを図った。

一般の人には同じように見える森林だが、水源涵養林と木材生産のための循環林とでは、森林利用の目的が違うため、対応も変ってくる。木炭や木材生産のための循環林と考えれば、単一樹種を計画的に植林して、効率よく成長と伐採を繰り返すことが求められるが、水源涵養林として考えた場合は、多段型複層林(年代と樹種を異にした木が混在する林)が機能向上には適している。また、手入れをしながら樹齢を伸ばすことも効果的で、保安林では檜の場合で45年以上という伐採齢が決められているという。

「針広混交林で樹齢160年の檜を育てるのが夢です」

と横浜市水道局管財部水源林管理所副所長の水越茂広さんが言うように、森林の保水能力を活用した「緑のダム」のためには、降った雨が河川に流れ込む量を調節し、土砂の流出を防ぎ、水を涵養する機能を持った生きた森林が大切なのである。


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多段型複層林(年代と樹種を異にした木が混在する林)

これはよいことを教わった。しっかり覚えておこう。
「針葉樹がよい、いや広葉樹でなければいけない」とか決め付けの
意見をよく聞くが、やはり何を目的にしているかで変わるだろう。
針葉樹も、広葉樹も必要なのだ。

しかも、どちらにせよ、植えた人間がそれを伐ることがないという
長い、世代を超えた意思と作業の継続が必要なのだ。


横浜の取り組みは、すばらしい。
市民が自らの力で水源を持とうという精神。
それがあって、役所の働きもあるのだろう。
その発展過程を歴史を追って調べてみたいものだ。


ここ数年は、水道事業の中に、あるいは自治体の全体の政策の中に
水源涵養林をつくることが新しいトレンドとして生まれているという。さらにまた、近年は、ダムの限界が語られ、「緑のダム」「水田はダム」「森林の水を育む機能の評価」がはっきり生まれている。
時代が、富山和子さんに追いついてきたと言われている流れだ。

それにしては、水源地に産廃処分場を作らせてしまうような法律のあり方はあまりにもおかしい。

全ての領域でそうなのだろうが、市民の意欲と力があってこそ、市民の森は生まれてくるのだろうと思う。

水源地の森を見れば、そこの市のありようが分かる・・・ということなのかもしれない。


posted by 村のトイレ屋 at 06:34| 山口 ☀| Comment(2) | 小野湖・産業廃棄物処分場問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
事業仕分けで、無駄な事業の象徴として「ダム」が民主党の標的となった。
そして、建設・計画中の143ダム事業で、有識者会議が10年夏の中間取りまとめに向けて評価基準案の検討を始めている。
さて、この続きはどうなるのだろうか?
Posted by gnet at 2009年12月10日 13:41
ダム問題は、今後作る計画のダムの問題もあるけれど、既にあるダムの土砂堆積を今後、どうしていくかも、大きな課題です。

本来、流れていたものを堰きとめた不自然さの帰結です。
Posted by へちまや at 2009年12月10日 23:43
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