2009年10月06日

産廃事例4――ストップさせた水俣市の教訓

●2009年07月30日(木) に「うべっちゃ」に書いたものですが
こちらに転載しておきます。
●「産業廃棄物処分場問題」を新しいカテゴリーとしてつくりました。
今までは、「水処理倶楽部」のカテゴリーに置いていました。



ストップさせた例――産廃4:水俣市

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山口弁に「熱い(ねつい)」という言葉がある。
よい意味では、熱心だ、情熱的で行動力がるなどという意味で使われる。
悪い意味では、しつこい、こだわりがつよいなどに使われる。

全国の産廃事例を調べていて、水俣市の事例にぶつかった。
人口3万人。
不知火海のまち。
「ミナマタ」と書けば、ヒロシマ、ナガサキが平和の原点とされるように、公害克服の原点とされる都市だ。戦後の日本史の柱に据えてよい位置をもったまちだ。高度成長経済至上主義に反省を迫るまちでもある。

あの水俣に産廃なんて!
しかも読んでみると「エコタウンにふさわしい産廃処分場を」とか
「南九州の産廃を集約するものを」とか推進側の文書に神経を逆なでするかのように書かれている。

水俣の人びとは、どんな気持ちにたたされただろうか?

結論だけ書くと市民の怒りは、静かに燃え上がり
「水俣の有機水銀のときは、沈黙して人までもが立ち上がり」
見事に阻止した。撤回に追い込んだ。

でもつぶさに調べて見ると
「水俣だから当然」と単純に言えないすごさや苦労がいっぱいあったようだ。


阻止した要因は、なんだろうか。
水俣市役所のホームページに年表や資料が網羅されている。
転機は、市長選挙で産廃を争点に反対した現市長が勝利したことだ。
ここから市役所の体制が、反対にシフトされ、市民のエネルギーを引き出すことになる。常勤職員3名に顧問弁護士がつく。職員全員の講習会が開かれる。市の意見書の説明会が地域・集落ごとに無数に開かれる。

熊本県の指導文書も「熱い」。
燃えている公文書をはじめて読んだ、と思わずつぶやいてしまう。
たとえば、水俣の場合は、「管理型」なので処分場の底に遮水シートを敷く。
県「シートが壊れた場合、どのようにするのか」
事業者「掘削して修理する」
県「どのように掘削してどのように修復するのか明確に記述せよ」

通常の指導文書は、「修繕する」と書かれていることに対して
「よく守るように」とか書いてお茶を濁している。
でも誰が考えても、50mも埋め立てるような処分場でどのように掘削修理するのかは、大問題のはずである。硫化水素の発生で作業員の死亡事故さえ起っている事柄なのだ。

この点で熊本県の文書は、徹底性がある。

こうした行政の熱意をつくりだしたもの、
それこそ、命と水を守りたい・守らなければという市民の思いだ。
海を汚され、あるいは汚してしまい、
今度は、水源地の山が荒らされてしまう、という危機感だ。

ここに学びたいと思う。

水俣に関しては、読み切れないほど資料がある。
とりあえず、
1、水俣市役所の産業廃棄物のページ(トップページ左にアイコン)
 http://www.minamatacity.jp/jpn/kankyo_etc/stop_sanpai/stop_sa
を記録しておく。
年表、市の文書、県の文書、そしてニュースやスライド
どれもすばらしい。一級の資料だ。

さらに、
2、(財)相思社 産廃関連
http://www.soshisha.org/topics/sanpai/sanpai.htm

3、石牟礼 道子さんの呼びかけ文。
水俣から生類の邑(むら)を考える
        ―――産廃最終処分場反対の立場から
多く引用されている。さしあたりここに↓。
http://list.jca.apc.org/public/aml/2008-June/019614.html


山口県でも、「ねつい」行政マンをうみだしていくには、
それ以上に「ねつい」市民力が必要なのだろうと思うが、どうだろうか。




posted by 村のトイレ屋 at 12:16| 山口 ☔| Comment(0) | 小野湖・産業廃棄物処分場問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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