2009年01月28日

第1回読書会の報告

1月24日(土)午後1時〜3時半まで、福祉会館で開きました。
テキストは、富山和子著『水と緑と土』
参加者は、5人。23歳から中高年まで。
序章 自然観の断絶、1 章治水の革命 を私がレポートしました。
明治30年頃に転換期があったようだということで、西村さんから足尾銅山の公害のはなし、宇井純さんの本、自主講座の話しが出されました。
また、参加者から、東京の地下鉄と水害の想定のテレビ番組の感想、宇部方式をめぐって、野瀬先生の功績をきちんと調査・評価する必要があるという話がでました。昔の宇部には、そこらにうっすらと粉塵が積もっていたという話も出ました。
「宇部にもこんな話題で語り合える人がいて安心しました」と若い人が感想を述べていました。

次回は、第2章 です。


以下参考に、レポートの一部をメモしておきます。
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●大事だと思ったポイント 1章22p

「治水の革命による列島改造は、川の施設化に他ならなかった。それはまた、川を含めたいっさいの土地の施設化でもあった。水と緑と土とが息づいているこの大地から、川と土地とを切り離し、自己に都合のよい単一の用途だけを求めようとしたこの事業の思想とは、生ける有機体である自然をばらばらにし、無機化させる思想であった。この事業のもとでは、土地は人間の生産活動のための用地以外のなにものでもなく、川は洪水を処理してくれる施設以外の何ものでもなかった。
 堤防は川と土地との、この分業化を可能にさせたばかりでなく、川の中の自然をも解体させる役割を果たした。川の中の水と緑と土とは切り離して扱われ、緑と土はその存在を否定され、水だけが問題にされた。水を治めようとする人間の目に、川は目の前に存在する河道と水との関係でしかとらえられず、上流支流との関係や、さらに水が川へたどりつくまでの長い旅、その旅を左右する人間の土地利用の変化などが一体となって視野へ入って来はしなかった」 

●参考資料:ゆるやかな氾濫を前提にした治水  「もたせ」
  「柳川掘割物語」高畑勲監督 
   http://www.horiwari.com/old/
   DVDになっている。
「千と千尋の神隠し」の実写版という評もある。
   
●故・広松伝(つたえ)さんの本から
 【川の埋め立てはなく浄化再生、柳川の場合】
 広松伝著「ミミズと河童のよみがえりー柳川掘割から水を考える」から
  河合ブックレット 700円
  1987年第1刷、河合塾での講演を本にしたもの
  広松伝さん、1937年生、柳川市役所環境課係長(当時)
 
 (コンクリート三面張り)
「・・・これでは物質循環は絶たれてしまいます。この水路が素掘りですと、あるいは空石積とか自然の川ですと、川の水が多いときには地下に浸透していきます。逆に日照りが続いて川の水位が下がりますと地下水が川に滲出してくるわけです。こうして日照りが続いても川の流れが途絶えることはありません。
このことを私は大地の水呼吸と呼んでいます。そして川底には微生物がたくさんいて、流れ込んだ有機物を分解して、植物が吸収しやすくすると同時に水をきれいにしています。小さな虫とかもいます。それを魚が食う。あるいは田螺とかが微生物を食ったり有機物を食ったりして、自然の物質循環があるわけです・・・死の川になってしまいます。一人一人が自分の用途だけを考え求める。つまり総合的にものをとらえる考え方が失われた結果が、ここに象徴されております」 p56〜57

 (思想のない技術)
「前にもちょっと触れた地盤沈下もそうです。水中モーターポンプというのが昭和30年ごろドイツから日本へ入ってきましたが、それまでは渦巻ポンプとかポアホールポンプで地下水をくみあげておりましたもので、そう深い水位では汲めなかったわけです。ところが水中ポンプですと100メートルしたからでも組み上げることが出来るわけです。確かにそれだけを取ってみれば素晴らしい技術です。しかし、そんなに深い水位になるまで汲み上げたらどうなるか、ということです。必然的に地盤沈下が起きますね。これはまさに思想のない技術です。全体のことを考えないわけです。自分が必要なことだけ目的を果たせばそれでいいというような、まさに現代の日本人の心を象徴してる思想のない技術。」

  (ミミズに感謝し、胸のうちに河童をとり戻す)
「・・・だから科学文明におぼれずに、かって日本人が自然に対応してきた行き方を見習わなければならないと思います。自然とのつきあいをはじめていかなければなりません。人間も自然界の一員で、その自然は水の循環によって存在してるのです。今、水神際とか川祭りとか、水の神を祀ることをやめておりますが、それを復活しなければならないと思います。ミミズに感謝し、胸の内に河童を摂り戻す、水を思い、畏れ、慈しむ心が大切です。」p60

  (水は土に還ってはじめて浄化される)
「水の問題を中心に考えてみますと、水は土に還って初めて再生されるわけです。微生物の作用でまたきれいに戻るわけです。ですから出来るだけまんべんなく広い土地を利用して水を土に還し再生していくべきです。下水道なんか1ッ箇所に集めてやりますと、たとえば福岡の場合は博多湾に流されるておるだろうと思います。百万人分の汚水を下水処理場で処理しましても、BODで90%しか処理できないものですから、あとの十万人分はそのまま生でどっかから何ヶ所かの放流口から、海なり川なりに流されていることになります。下水道が付設された土地では、区域内の小川とか水路とか土とかの持っている浄化力は全く使われない。パイプの中を通っていくものですから、出されたところはたまったものじゃあなくて、全体的に考えるとますます環境悪化が進んでいくということです。」 


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posted by 村のトイレ屋 at 12:20| 山口 ☀| Comment(1) | 本の感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ここに書いてある第2回読書会は、
都合により
日時が 2月19日18時〜
場所が、宇部総合福祉会館に変更になっています。
最新情報でご確認下さい。
Posted by へちまや(安藤) at 2009年02月04日 19:35
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